霧
標高1200m
もや がかかってきたと思った数分後
濃霧に変わった
森は静まりかえる
森の御霊は鎮まりから覚める
ふと、
そんな感覚に捉われる
100m先も見えぬ、森の中は
萌黄はじめた緑を、モノクロの世界に引きずり込む
恐ろしさや、不気味さが無い
と、云えば嘘になるかもしれないが
通い詰めた山であるだけに
愛おしさの方がはるかに強い
立ち込める霧を胸の奥に ゆき渡らせ、深呼吸をすると
不思議と、ココロの靄が晴れる様な
そんな自分の感覚に気付く
ふと、この中に吸い込まれてしまいたいような...