ファルトボート


友人から借りっぱなしのファルトボートを積み込み
海へ車を走らせる

もちろん、車は「じねり号」。

必要なものだけを積載しているが
いつも必要かと問われれば、
否。

つまり、普段は使わぬが
何かあった時に役立つグッズを満載しているのである

女将とやりあって、プチ家出したならば
その間、なに不自由なく生活できる
水上生活も出来そうな勢いだ




このファルトボートは2人艇で
人間以外に荷物が100kgほど積み込める

本来は、ユーコン川の様な
大きな河川を何日もかけて下りながら
ツーリングするカヤックである


したがって、安定性も高い
不安定さがカヤックの面白さの一部でもあるのだが
荷物を積み込む時は
やはり安定性を求めてしまうのだ

激流の中や、大海原では転覆したくない
軟弱思考のボクである



この日
以前、店でバイトしていたリュウジを連れてゆく
ファルトボート30kg...

さぁ。組み立てよう


パーツを取り出し、並べる


骨組みをし、リブをはめ込んでゆく


袋に詰め込む
それにしても、この腕の太さの違いはナンダ!?


10分ほどで組み立て完了ス


スターンとバウにも荷物を詰め込めるし
オープンデッキにすればもっと積める

ツーリングの場合
スカートを装着し、チンしても水が入り込まぬように出来る

スカートやら、チンやらいう言葉は
別にいかがわしいものではなく
乗り込む人間がスカートを履く様にして、
その端を枠にはめ込むのだ
チンは転覆のコトをいう

さぁ!
朝モヤの中に漕ぎ出そう!


ん?
リュウジ
オマエ、顔色が悪いんぢゃね?

ま、
いっか!
漕げ漕げぇー



海風でモヤが晴れてきた

お、
おやかたぁ〜
酔った...
して、
疲れた
ので、
もう漕げません


リュウジ...
ナニを情けないコト...
オラ!しっかり漕がんかい!

スターンからパドルで水をかけ、気合いを入れてやるが
もう、限界らしい...
おいおい、
まだ10分も漕いでいないだろうが...

しかたがないので
流れの早い潮を乗り切り
目的のビーチまで一人で漕ぐ
ボクは何時間でも漕ぎ続けられるのに
身体のつくりが違うのか?
精神力か?
コイツはまだまだ鍛えなければならん。

リュウジはこれでも
野球をやらせるとかなり上手い
体力もある。
筈なのだが、船酔いは全てをイヤにさせる




両足が地に着くと
瞬く間に元気になる

そして、帰り道も・・・



一時間ほどのツーリングを終え
リュウジは反省に耽る

心配すんな!
来年の夏も鍛えてやっから!



サモアの漁師と、イヌ