花梨




数週間前、

バジル畑のバジルが
全て枯れた

霜が降りる頃、一年草のバジルは終わりを告げる


ポポの実がなり、捥いで食べ

柿の実がなり、収穫され

銀杏の葉が黄葉し、落ちる頃

カリンの実も
柔らかな土の上の、落ち葉の絨毯の上に落ちる

大きいのや、小さいの

銀杏色やら、ライム色のそれは
色褪せた落ち葉の上で
柔らかいコントラストを生んでいた



花梨は歪で、全て同じフォルムではない

生食は硬くて、渋くてヱグ味があって不味い
表皮はワックスを塗りたくった様な触感で
庖丁もたたない

が...
香りはなかなか良い

とても個性的な果実
そこがちょっと

気に入っていたりもする