闇 照らす夜に 其ノ弐




狭い林道に大型四駆を捻じ込む

お気に入りの渓流へと流れ込む沢の上流の




その河原は小さいけれど、
自然林は豊かで、流るる水は清らかで
鬱蒼とはしているものの、そこだけぽっかりと空の空間が空いている

残念ながら星は仰げなかったけれどもね
それでも焚き火の明るさは
少しの範囲をしっかりと、離れた場所はほんのりと照らしてくれる



月明かりも、星の灯りも無い
20時過ぎると

<真の闇>

が、森を支配する

その中で焚き火が照らし出すその場だけの風景はボクの中で

あらゆる恐怖感。
目に見えぬ闇。
目に映る闇。
焦燥の孤独。
孤独の安堵。
木々のざわめきで押し寄せる寒さ。
沢の染む響きの安心感。
焚き木のはぜる音が成せる静寂。
舞う火の粉の軌跡がもたらす、ゆくべき方角。

そんなモノを感じさせ、
行く末を見つめたり、暗示させたりする...