飯盒のおまじない
同時に 師に教えられ
渓流でのアウトドア全般を楽しむようになった
焚火での料理は楽しかった
飯盒で米を炊いた
岩魚飯を炊いた
飯盒でご飯が炊き上がると
逆さにして 棒切れで底を トントン 叩く
何故か?
と問われると
蒸らす時に何らかの変化があるのではないだろうか?
と答えることしかできない
何故ゆえにひっくり返して 底を叩くのか?
底からご飯をひっぺがして何の効果があるのだろう?
理解に苦しみながらも
おまじないのように トントン 叩く
この おまじない の多用で、飯盒の底は凹になってしまっている
それでも同じ飯盒を使い続けているものだから
鋭角になってしまっている底枠の縁は
洗っても 落ちない 取れない 残骸が炭素化してこびり付いている
私の相方は よく嫁に実家に帰られるが
冷蔵庫に何もない時には 飯盒で米を炊く
味付け無しである
しかしながら、この飯盒で炊くと
薄っすらと色付き
ほのかに 岩魚飯 の味と香りがする
彼はこのご飯を
岩魚飯風味ご飯
と名付けた
おかずイラズ である...
今では 飯盒に代わり コッヘル がハバをきかせる
大中小とコンパクトに収納でき、人数に対応できる
しかし、おまじないの棒切れトントンはしない
何故かしら知れないが おまじないはしない
そりゃあ変形したら収納できないから...
という理由だけでなしに
おまじないはしなくなった
当然、コッヘルで白米を炊いても
岩魚飯風味ご飯
は炊けないのである
時代が変わるとゆー事は 哀しい事なのだ
である...