水中酸素補給法

前に書いた「岩牡蛎剥がし」では、3m-7mの深さに潜らねばならない
1個とるのに、3回潜っていたのでは効率が悪いので
酸素補給の道具を作ってみたことがあった

硬く、太いホースを組み合わせ、繋げてシュノーケルに装着
シュノーケルは吐いた息が筒に戻らず、弁の付いている方から吐き出される仕組みのやつだ

コレ以前に作ったのはホースを長くしただけのもので
シュノーケルに弁も付いていず
1mも潜ると
ナンカクルシイ…ナゼカイキガ ク ル シ イ ...
… 失敗した
自分の吐いた二酸化炭素をまた吸うハメになってしまっていたのである

当たり前のことを気付かずに
思いつきだけで実行するとこんなことになる...
小学低学年程度でも容易にわかることなのに、ボクは気付かない

なにせ、物事は思いついた瞬間実行し
道理や、予想される困難らは そんときに考える がモットーなのでしかたがない
遠回りが大好きなのだ
失敗も大好きだ
だって、後から思い出すことが容易で
笑って人に話せるから...


で、
改良型酸素補給ホースはどうなったかというと

1m...おぉ!イキガデキル!
2m...むむっ?チョトクルシイカモ?
2.5m...シュコー、シュシュコー、シュシュシュコー、シュシュシュシュシュ...

失敗の原因
気圧の変化により、水面からの吸引はものすごく、吸い込むチカラを必要とする
中学生でもわかることだ...

この時、水面下3mで
この状況下を脳で理解オヨビ、把握できていないボクは
ひたすら 命のホースを鷲掴みにし
生まれたての赤子が哺乳ビンを咥えているが如く
愛犬みかんが両前足でアロエヨーグルトのカップを挟みつつ舐め倒しているが如く
ただ、一心不乱で空気を吸い続けていた

も、牡蛎どころか、バールも手放し、海底へと...

いったい何が起きたのか?
無根拠の自信作、改良型の酸素補給ホースであったので
失敗の理由を思い浮かばせたくなかった
が、失敗である

船の上のサポート役の「カヌー漁師、ハイパー今さん」はこう云った

最初は安定していた呼吸でしたが
そうですね〜親方の身体が半分くらいにちぃちゃく見えた時でしたか
シューコーシューコ言って呼吸が荒くなってきました
あ、
穴なんか塞いでないですよ
ホントに塞いでないですよ
ホースの穴に向かって
だいじょぶかー?がんばてな〜!
って、声援は送りましたが...

暗い雰囲気の船上でボク達は考えた
もちろん、失敗の理由と、次回の新 改良型ホースについて

コタエは15秒で出た
ヨシ!次はフイゴを持ってこよう
ジャバラのフイゴを装着して、水上からシューコシューコって
空気を強制的に送ろう!
おお!いいアイデアだ!そうしようそうしよう

日本の漁師がずぅーっと ずぅーっと前にやっていることを知りつつ
さも、新たに発見したような、そんな気になりつつ
結局は素潜りの方が早いのも知りつつ
遊びを続ける

ボクらの云うところの アソビ とは
こんな表現のし様のない充実感の事なのであった