春の山
おっちゃんは、春の山に山菜採りに...
自慢の、子供用モトクロッサーを駆り
80ccのエンジンとサスペンションにかなりの負担をかけつつ
山道を疾走してゆく
2ストロークの軽快な響きは
ちょっと重たいんですけど...
と、こもった音を立ててるように感ずるが
おかまいなしにアクセルを開ける
小雨が降ってきた
カメラは防水のコンパクトなので
雨に打たれようが
ポッケの中で
太っちょの汗に蒸れようが
ナンの事もなく、機能を十分に発揮する
山頂に近付くほど、冷気が増す
毎年の事だ
山肌を滑ってくる風が
残雪に纏わりついている冷たい空気を静かに
しかし、キッチリと流してくるのだ
雪が溶けた林道は
倒し、寝かせつけた笹で狭くなっている
見晴らしの良いところで エンジンを止めて、
麦茶を啜っていると
どことからなく重機の音が聞こえる...
しばらく走ると、トラックとショベルカーが現れる
昨年、道を塞いでいた大きすぎる落石
いや、
落岩(落雁ではない)は
谷のずっと下に落とされていた
あの、巨大な岩を...
すごいテクニックである
う〜む...
もう少しの年月、山を休ませたかった
これで、また人が山に入り過ぎる事となる
さぁ、もう少し高度を稼ごう