原田 甲斐
樅の木は残った
を バッグに押し込んで行った
山本周五郎の本は好きで、何度も読み返すが
この本は別格である
幾度読み返しただろう...
未だ熟読していないのか
読みかえす度に 違った感覚に捕らわれる
主人公の 原田甲斐 は歴史上、伊達騒動の中心人物で
悪の象徴のように、死んで尚憎まれ続けたが
山本周五郎の表現する彼は
穏やかで、思慮深く温かく、頭が切れる
泊まった宿は、鄙びた山奥の温泉宿で
ちょっとぬるめの硫黄泉
料理はバランスも良く、食べ飽きずにお腹一杯になる
女房殿と熱燗を サシツササレツ
降り止まない雪の景色を見つつ
一年の疲れを癒すべく ゆっくりと
ゆっくりと 時を過ごした
山ごもりした主人公と同化してゆく...
帰ると
明日の為の仕込みが待っていた
半日がかりで終わる
さぁ、明日から じねんぼうの一年が始まる