年月

人間が作り出したものには 魂 が封じ込められていると思う

そして、その形を長い期間保つものには
込められた魂と 飽きのこないフォルムを
永い間静かに、控えめに放ち続ける
毎日、人に見られつつ 時を重ねる毎に熟成する

店の特注サイズの 木のテーブルは
これから静かに 少しづつ熟成して 味 を出してゆく

生まれたての8人掛け

2年生

同じ塗料を使っているが、イイ感じで塗装が擦れてきた2年経つ木質は
座ると おもわず両手で撫でてしまう


この「ぎょく鍋」(玉子焼き鍋)も20年選手だ
一昨日表面に付いた 油のこびりを焼き落とし、メンテナンスした
銅の赤茶が出てくると、なけなしの金をはたいて買った修行時代を思い出す

油をたっぷり注いで、数時間弱火にかけ
しっかりメンテナンスをしたら
今日もまた 「厚焼き玉子」を焼く

私が精魂込めて作る料理は哀しいかな いっ時ばかりのものだ