大いなる腹時計
昔っから腕時計をする習慣はなかった...
陰で云われるに、手錠を掛けられたことのある輩は腕時計を掛けたくないそうだ
ボクの場合、手錠は掛けられたことはないのだが
腕時計はあまりしたことが無い
自宅のどこかの引出しにしまわれてはいるのだけれど
ハナタレの時分から、腹時計が主であった
学校にいる間はチャイムで目覚めた時の、
帰ってからは 太陽の傾きや、腹の減り具合で、
おおよその見当をつけていた
時間を知る
という事ではなくて
時間割りの区切り
である。
昼、腹が減ったら どこぞで調達する時間であり
夕刻、腹が減ったら 家に帰る時間
もちろん、季節で陽の傾きが変わるので
腹時計との兼ね合いが重要になってくる
夏などは、腹が減っても陽が沈むまで遊び倒し、帰ると
よく、お袋や叔母に
こりゃぁ!今何時だと思ってんだ!
こった遅くまでほでなすで遊んでこのぉ!
と、こっぴどくヤラれた
んだって〜さっき陽が沈んだんだおん〜
その一言でいつも言い逃れていた
未だに「おしゃれ」とは縁のないボクであるからにして
ファッションという括りで腕時計はしない
山に入った時も、正確な時間はわからぬ
あぁ、腹がへったから帰ろう
お、陽が沈みそうだから帰ろう
うむ、水が温み始めたからそろそろ渓魚もご飯の時間だ
やべぇ、遅くなったら叱られるから帰ろう
そんな時間の捉え方である
大いなる 太っ腹時計はこれからも健在であるに違いない