新聞紙



ハナタレガキの頃
遊び場といったら、近所にあった土管の秘密基地と
何処にでもあった空き地
そして、
宮城球場だった...

ロッテの試合があると、練習の時間に
正門以外のゲートの鉄格子をくぐり抜け
外野フェンスの下に転がる硬球をくすねてた。

柔らかい軟式テニスボールなど、買う金もない
貧乏人の小倅達が集まって
空き地でキャッチボールをするのが
唯一のボール遊びだったかもしれない

しかし、
硬球は素手で受けると痛いので
ガキめらは、古新聞紙でグローブを作った

誰に教えられるともなく
皆で寄ってたかって知恵を振り絞り
失敗してはそれを繰り返し
完璧なほどのグローブを作り出したのである

完璧といえども
ガキが作ったモノであるからにして
数日使うと壊れる

まぁ、
新聞紙で出来ているのだから、当たり前といえば
当たり前である。

その頃の記憶を呼び覚まし
グローブを作ってみる



なにせ、
相手は硬球なので、ぶ厚い朝刊をそのまま使う

新聞は昔から、<河北新報>と決まっていた

この新聞は、
ボクの古くからの友人が作っているので
宣伝というコトもある...
まぁ、
彼が作っているのは
夕刊なのだけれど^^




出来上がった

迷うことなく出来上がった

何十回も作り続けてきたから、身体が憶えていたのやもしれぬ



大人には小さすぎるが
小学生にはピッタリサイズだ

金持ちのボンボンは革製のグローブで遊び
もっと金持ちのボンボンは青いグローブを見せびらかしていた

そいつらとキャッチボールをすると
古新聞紙でできたグローブは鼻で笑われたが、

いざ、硬球でキャッチボールをはじめると
痛くて泣くのはボンクラボンボン達の方であったのだ

ミットの部分で上手く受けると
自然と窄まり、ポロリもなく
奥行きが深いため、痛くも無かったのである




コレではまだ完成ではない
新聞に糊を塗って硬くし、紙がほどけぬように加工し完成する

先の折り方でキャッチャーミットも、ファーストミットも
タダで作れる

当時、
この能力を
学業に注いでいたのなら...