弟子




じねんで一番人気の

<里芋の天ぷら>

を仕込む

ようやく「丸(ガン)」に取るコトを習得しつつある弟子

ペーペー アガツマ

に、最後の仕上げを任す

ご覧の通り、まだまだ仕事がなっていない

これから徐々に
一連の動きと、仕事の美しさが兼ね備えられてくるのだろうが
まだまだ美しくない

仕事とは、どんな作業工程でも
美しさが無ければ 動きも流れも、仕上がりも伴わないのである

それが出来て、初めて良い仕事に成り得るのだ


彼はすでに目覚めているので
ボクの教え方が、良く理解できるようだ



奥で手伝っているのは
昨年暮れに入った ミウラ である

バイトではあるが
ペーペーアガツマは後輩が出来たコトにヨロコビを感じている

二人で真剣に、楽しそうにやってる仕込み姿を見ると
自分の若い頃を思い出す...

大店に勤めていた頃、
仕込みで仕事をおぼえて
徐々に料理の基本が身に沁みていくコトが嬉しくてたまらなかった


先輩に教わるコト

後輩に教えるコト

切磋琢磨してゆく同僚

憧れの人物


そんな中で仕事の出来るニンゲンが作りあげられてゆく




<前略おふくろ様>
昔のドラマなのだが、
それの舞台になっていた
「分田上(わけたがみ)」
と云う料理屋の、その店そのものと
その背景に
ボクは強く惹かれていた

そんな店造りをしてゆきたい...