鍋焼き
鍋焼き
と、云っても
うどんではない
定期的に行っている
テンプラ鍋等のアブラカス取りである
ハイパー今村の
広大な敷地の一角を借り
焚き火が始まる
この大きな
分厚いスウェーデン鋼の釜の中で焼き、
こびり付いた汚れを燃やしてしまう
薪はナンボでもある
ドンドン突っ込んで
ガンガン燃やす
そうすると鉄鍋は赤くなり
汚れカスなど一瞬で消え去るのだ
その合間
友人と色々なコトを語り合う
やれ、
今年の雪山登山は何時にする
やれ、
雪が降る直前のキャンプは何時にする
だとか、
春を迎えたハナシ
だとか、
ムール貝のワイン蒸しの旨さはドコにあるのか
とか、
スウェーデン鋼の純な強さ
とか、
この釜にての、温度調節及び、最大火力の出し方
など、
とるに足りたり足らんかったりの語りは続くのである
こんな火をじっと見ていると
曇り空の、今にも雨が落ちてきそうな
こんな日をじっと楽しんでいると
時間の過ぎ行く
そんな意味のある、凝縮されたまったり感を楽しんでいると
もう、
仕事なんかそっちのけで
雨が落ちて来るまでこのままいようと
そう云う呪縛に縛り付けられそうになって来る
前日の、徹夜仕事の後遺症は
この、
ダラケた様でいて
その実、
やっぱりダラケている時間を
より一層、まったりしたエッセンスを振り撒きながら
一向に動こうとしない身体に変化させてゆくのだ
肝心の鍋たちは
もう、焼き終わり
煤も払われ、キレイになって
ゆっくりと、ゆっくりと
赤い体温を静ませてゆく
ボク達もそれに従い
ゆっくりと、ゆっくりと
語り合う...
お互いの干渉も無く
お互いの話を語り部で聴きながら...
この男との付き合いは
これからも続く
そう感ずる今までと、これからだ