Yamada Jyuro




泉橋酒造の誇る純米酒

<夏ヤゴ>
<赤トンボ>

この二種類を季節限定で、じねんぼうでは出している

とてもうまい純米酒で
ボクの作る料理との相性も、すこぶる良い

その純米酒で漬け込んだ梅酒が
このタイトルである

山田十郎...


酒米を、山田錦
梅を、曽我の十郎

生梅本来の酸味がとても良き生きている梅酒で
質の良い純米酒が持ち得る
<お燗にしても尚更旨い>
と云う特製柄、
燗しても旨いのである

その漬け込んだ梅を
蜜で炊いた

普段なら
青梅の生を炊いたり
梅干しを蜜煮にしたりするのだが
梅酒漬け込み後の梅は
質の良い純米酒を吸い込んでいる


その旨さを、
滲み出させる為に
梅に針打ちをする


割り箸に縫い針を括り付け
丹念に梅の表皮に刺してゆく


こうする事によって
旨味が引き出され、
味が染み込むのである




ボクは色粉(人工着色料)を使わぬ
故に自然の色合いだけでしか表現せぬ

青寄せ(ほうれん草などから取り出した緑色のアクの様なもの)を使いはするが
全て自然物から、自分で取り出す


そうでなければいけないと
ボクの積み重ねて来た料理達は云っている

世の中に

<信頼できる食べ物>

というものが
如何程あろうものなのか...

食を提供する側から
ボクはそんな世の中になっちまった事を疑問に思う