器の個性




季節がずれ込んでいる

とはいえ、鮭の旬も終わりに近付き
ハラコの最盛期もそれに伴う

今年最後のはらこ飯を炊くが
今、出回っている鮭の生身は味が薄くなっていて
脂も気薄であるから
炊き込む鮭の身は、新巻きの甘塩を焼いて炊き込んだ





器は
益子焼の<鉢>を使う

滅多に登場しない器であるが、味がある

しかも、
独特の作りと焼きで
かなりの個性を出しているモノ

強すぎる個性は、時に
受け入れ辛く、使用頻度も少なくなる

この器を使いこなすのは
ボクにとって、とても難しい

きっと
作者が描いた
コレ!
と云う料理を盛らねば、なかなか活きてこないのだろう



鉢は深度がある為
平皿と違い、表現がしにくい

しかし、
のぞき見る行為が
食に対しての興味を刺激しつつ、食欲を増すきっかけとなっているコトも事実で
温かみのある器
ではないだろうか...


個性が強すぎると云うコトは
受け入れ辛く、理解し難い面も多々
一線を画す性質上から仕方のないことであるが
そんな器に魅力を感じざるを得ない自分も何処かに居てしまう...


ボクにとって、欲しいものはセンス。

良い食材や、器を使いこなせるセンスが欲しい

しかし、
こればっかりは、なかなかに身に付けられぬ...

いったい、
ナンボほど修行したら得られるのだらうか?

ぜんたい、
その時は来るのだらうか...