鮟鱇の共和え
下味を付けて蒸し上げた<アンキモ>を崩し
合わせ味噌で当たりを付け
上身を炙ったのと、水袋(胃袋)と皮を湯がいたものを合わせる
他の素材を使わずに
一個の魚の特性を表に出しつつ
其々の部位の異なる味と食感を合わせた料理
ちびちび箸でツマミながら
旨い純米を飲ると
それはもう...
カワハギやフグと同じく
この鮟鱇 と云う魚、
身に脂が一つも無い
その代りに、肝臓に脂が集まっている
不思議な魚である
以前、トラフグの肝も
たいそう旨い筈
と、
食べてみた
もちろん天然のトラフグであるから
肝臓の部位毒は<猛毒>である
絶対に食べてはならない
しかし、ふっくらして、艶があり
料理人としては、かなりそそられる部位ではある
河豚調理師資格を持つ身として
決してやってはいけない事なのであるが
前屈みになり、食道には通さず
舌の上で味わって吐き出す
味を感じると云うコトは
摂取していると云うコトで
僅かながらでも毒素は体内に入る
フグ毒のテトロドトキシンは
青酸カリの800倍以上の神経毒であり
驚くほどの少量でも、致死量になる
幸い、無謀な試みは
事なきを終え、緊張と瞬間的すぎる味見であったので
お味の方はわからずじまいであった
ココはそう云う表現にしておこう...