ねぎま小鍋



シンプルな鍋...

伊場野の曲がり葱と
鮪のスジ肉に、美味しい豆腐

ちょっと火を通すと、この曲がり葱は
すぐに柔らかくなり、味も含みやすい

これ以上焚くと、溶けてしまうのだ

それほど柔らかく、甘い


少し歯応えを残すよう、火を入れると
葱の持つ、独特の食感が生まれ
予め焚いていたマグロの筋肉と
ほんのり味の染みた木綿豆腐との相性が
口の中でたまらぬ融合を見せる

ねぎま

と、いうと
焼き鳥と思われがちだが
本来のねぎまは、この煮物、或いは稀に吸い物である

今回の葱鮪鍋、
スジ肉を使ったのは、適度な脂があり
とろける味わいもあり、
そのゼラチン質と葱の相性が良かったから


一般に、葱鮪鍋というと
脂の強い部分を使っているのは
火を通して旨いからである

何故か赤身しか食べなかった、マグロの歴史が背景にあり
所謂、トロの部位は捨てたり肥料にしていたからこそ出来上がった料理らしい



日本人の味覚はここ数百年でどのように変わったのだろうか...

ただ単に
料理技術の進歩だけには収まらぬ事なのだろうか...