はらこ飯

色々な はらこ飯 がある。
私の作るのは、知り合いの料理屋のばーちゃんが作っていたはらこ飯がベースである。
ばーちゃんははらこ飯だけは、息子であり調理長のおじさんには手を掛けさせなかった。

作り方を、当時中学生だった私に伝授してくれた。

はらこはもちろん、川に溯上する前の、沖で獲れた銀毛鮭の皮が柔らかい卵を使う。
すでにばらして売っているイクラは皮が硬すぎ
タレに漬け込んだ時、ゴムまりの様に噛めないし、なかなか潰れてくれない。

60℃のお湯に薄皮で包まれている卵を入れ、そっとほぐしていく
薄皮は温度で縮み、卵の粒はほぐれ、多少白っぽくなる。


流水で不純物を洗い流し
濃い塩水と酒を注ぎ入れると、発色する。


後は、笊にあけ、煮切ってアルコール分を飛ばした味醂・酒と濃口醤油を合わせたタレに漬け込む。


炊き込みご飯は鮭の頭の肉とハラスを焼き、ほぐし
濃口醤油・薄口醤油・酒・味醂で薄めに味付けし
出汁昆布を入れて炊く。
ひとめぼれ のうるち米に、2割の もち米 をブレンドして炊くと一層美味い。


そこに漬け込んだイクラを鎮座させると
はらこ飯の完成だ。

この時期、秋茄子の糠漬けと、きのこ汁でもあれば、満足度はかなり高いであろう。


口に入れると、鮭の焼いた身が香ばしく、頭肉とハラスの脂身が甘く広がり
イクラを噛むと、トロッと流れ出てくるオレンジ色が纏わり付き、濃厚な味わいの中にも、上品な脂が適度にあり
ご飯一粒一粒に絡み、相乗効果が著しい逸品だ。

秋はコレを喰わないと...

送りまひょか?