落花生豆腐
前菜にしては手間が掛かりすぎるが
前菜としては申し分ない
天日干しの落花生をミンチにかけ
粗目から徐々に細かいアタッチメントに変えてゆき
何度も何度も通す
すると、ペースト状になってゆき
それを擂鉢で当たる
味を見ると 落花生の甘味が強く出てくる
コクもあり、ピーナッツクリームとはまったく違うものになる
これを牛乳で延ばしてゆき 裏漉しし
本葛粉を溶かす
鍋に掛け弱火でひたすら煉る
鍋底があたらない(焦げ付かない)ようにひたすら煉る
冷やし固めた時の硬さをイメージしながら煮詰めてゆき
流し缶にあけ、冷水の中で冷やし固める
完全無欠の無添加
かけてあるタレは 蕎麦のカエシ の原液である
ザラメ・濃口醤油・アゴ・にぼし・鯖節・鰹節を使った
これの 搾りかす は白ゴマを混ぜるだけで美味しいふりかけになる
滑らかな食感と
ねっとりとしながらも スッと舌の上で溶けてゆく儚い落花生だけの甘さ
カエシの濃い節の味が良く合う
何もいわずにお客さんに供すると
チーズ?
とよく聞かれる
確かに牛乳は使っているけれども、牛乳の味はしないし
クリームチーズの濃厚さと食感は似ていないこともない
ゴマ豆腐より濃厚なのは
水ではなく牛乳を使っているからだろう
儚い料理は大好きだが 手間が掛かりすぎる
いや、それが私の仕事だった