バイトのぎょく
厚焼き玉子の焼き方を教える
幼い頃から家の台所に立ち、料理を作っている娘だ
本職の ぎょく鍋 は重い
最初は濡れ布巾で 反し の練習
重さに耐えながらも、ナカナカ上手く焼く
初めて 銅のぎょく鍋で焼いたのがこれだ
自分で喰ってみて
なんかシットリしていない
と言っていた
手早さが卵の地を乾かさないのだ
と教えると、すぐ納得する
そこらのペーペーちょうりしがっこ卒業生より数倍理解力がある
…携わる… 幼い頃からの料理経験と
料理に対しての思い入れが違うと、かなり 差 が出てくるのはあたりまえである
私の焼き方はちょっと独特で
鍋に敷く油をあまり使わない
同じ鍋肌に 多めに注ぎ入れた地 を引き、何度か返す
玉子焼きは油が多いと、冷めてから黒っぽく変色してくる
美味いのを作ろうとしたら
極力 油は使わないことと
焼きを入れ過ぎないことだ
俗に鮨屋では シャリ切り3年 玉(ぎょく)焼き5年 といわれるが...
難しいとされる、すり身が入った玉子焼きでさえ習得するに
5年もかからんだろう...ふつう
最初にお世話になった親方はこう言っていた
次の修行も少人数の板場でやってるとこにしろ
つまり、人手が足らないから、何でもやらされる
という意味だ
上の人の手伝いを頻繁にやっていれば
それだけ仕事が身に付く
しかし、大きな たな も経験しなければならない
大きければ、仕事もそれなりに複雑化して行き、身につく
バイトの娘は料理を作るのが大好きだ
きっと 美味しい料理を作る 良い嫁さん になることだろう