じょうよ蒸し

山芋を使って蒸し物をする時
じょうよ蒸し と名を付ける
薯蕷 とか書いたりもする

今回は 百合根と自然薯を組み合わせてみた
自生の山百合はエグミ、苦味がなく火を通すと
甘くなり、ホックリした食感
それを舌の上で潰すとねっとりしている
上質の羊羹のようだ

器に昆布と生ワカメを敷き、白身魚の切り身。今日は用意していなかったので
鱈キクで...
酒を振りかけ2分通り蒸し
自然薯のすりおろしたのを、のばさずにそのまま乗せる
芋に5分通り火が通ったら
濃い鰹出汁に薄く味付けした 銀あん をかける
銀あんの具は 百合根 だ

食すと
自然薯特有の ほんのりした土の匂い
表面は餅のような食感で、歯茎を反発するが
中心は粘り強いトロロの心地良い舌触り
そこにキクの濃厚な旨味が一体となり、それだけで舌と歯茎は満足感を覚える
アクセントはワカメの露出しないシャッキリ感か...
この料理をまとめるのは 銀あん だろう
全体を包み込んで、尚且つ主張する薄い塩味が付いた鰹の風味
山百合の根は
決して鮮烈ではない、自然の甘さが光り
あの食感だ...
私好みの料理
もう何も言うことはなくなるのである