鯨スジ肉の煮込み
ミンクであったが
味見をしたら、イマイチ味が薄かったので
肉は買わず、スジ肉 を購入する
スジはゼラチン質であり、旨さを引き出すには
コトコト焚くしかない
圧力鍋 は使えない
圧力を使うと、スジ肉の 肉 の部位が硬くなってしまう
圧力だから柔らかくなりそうなもんだが
繊維1本1本が硬くなるのだ
スジ の部位は温度が高すぎると
ゼラチン質が分解されてしまうのか
冷めた時に固まりづらいし、口溶けがイマイチである
ゆっくり コトコト が合っている
シンプルに糖類と味醂、薄口と濃口醤油を合わせ焚き上げる
針生姜で香りを付け、木綿豆腐に地を滲み込ませ
水菜を軽く供地で火を通し
柚子胡椒を添える
火の入れ具合で
モチッとプルッとなった食感に
鯨独特の濃厚な味わいが重なり
スジに付いている肉が 鯨であること を主張する
この料理はまさに スローフード 郷土料理だ
私のハナタレ時代には
食卓を飾るのは クジラ だった
赤肉の塩漬け、味噌漬け、生姜醤油焼き
が、日替りで嫌になるほど並んだ
親父は酒のアテに鯨のベーコンをつまむ
胡坐の上にチョコンとはまって
ソレを貰うのが好きだった
今ではどちらも高級品
日本のスローフードはこの先どうなることやら...