新筍の焚物
ホウレン草から作る、いわゆる【色粉】だ
擂鉢で生のホウレン草を擂り、水を加える
目のきめ細かい裏漉し器で漉し、緑色の液体を鍋で沸騰させる
沸騰直前になると、緑色のアクが出てくる
それをサラシに掬い、冷水で冷まし、絞る
今回は【木の芽味噌】を作る
白の甘味噌で玉味噌を作る
玉味噌というのは砂糖、味醂、酒、卵黄等を加え
火にかけ練ったものだ
これに柚子のおろしたものを加えれば 柚子味噌 となり
加える素材で色々変化する
今回は木の芽味噌であるから
木の芽(山椒の若葉)を大量に加える
擂鉢で木の芽を擂り潰し
そこへ玉味噌を入れて混ぜ合わせる
どうしても色が足らなくなるので、青粉を加える
鰹出汁に追い鰹した、濃い出汁で
野菜八方出汁を作り
茹でた筍を焚く
それに木の芽味噌をかけるだけの料理だが
かなりの手間がかかる料理ではある
市販の色粉を使えば簡単なのだが
私の親方はソレを許さなかった
あたりまえといえばあたりまえだと
今さらながらに思う
作り出すことこそ、料理人である
筍に木の芽味噌を塗り、焼いたら 田楽 だ
これも美味い