しゃぶしゃぶ考

しゃぶしゃぶは鍋料理である
日本での歴史はまだ浅いが
生食を好む民族であるからして
肉でも魚介でも野菜でも生で食せる物は生で食す傾向が多い

食生活が豊かになってきて、ちょっと火を通した方が旨い食材には
そういう処理をして食を楽しむ

火を通すことによって
肉類は脂の質感と食感を変え、肉の臭み・アク等が抜ける
魚介類、野菜類も質感が変わってくる

温かい料理なのだが
暑い夏には、一度火を通し 冷やし食すことによって 旨味を楽しむ

しかし、肉類の脂部は冷やすと蝋のようになってしまうのだ
馬・羊・牛・豚・鶏
蝋化の硬質順はこのように思う


店で冷しゃぶをメニューに加える

【三元豚のバラ肉と 千代葱の冷しゃぶ】


冷しゃぶ といっても、冷たくはない
葱は「大衡村の千代葱」小指ほどの太さで、一株に沢山出てくる
豚は「山形の平田牧場 三元豚」バラ肉である

脂身に甘みがあり、肉質は旨味がある
脂の多いバラ肉をあえて使用した

葱のシャキシャキ感が残るちょっとした辛さと
スダチの絞り汁を使ったポン酢が
バラ肉の旨さと相俟っている
肉はしゃぶしゃぶし、温かいまま供することにした
ほんのり温かいが 冷しゃぶ とする