ねこそぎ


車を走らせているうちに
もうそろそろだな...
そうおもって山に入る

山ブドウの葉は一足先に色付く
素人が探してもすぐ見つける事が出来る

山道沿いにポツポツ
近寄ってみると、葡萄は採られた後だった
一房も、一粒も残ってはいない

どこを探しても、ねこそぎ採られている



藪漕ぎし、奥に分け入って
やっと見つけた 山葡萄
藪漕ぎする予定はなかったので、軽装備
腕が引っ掻き傷だらけになる


山葡萄の蔓には、熟しているのやら
こんな 青いのまで色々ある

完熟に近いのだけを採るのがマナーだ
マナーと云うよりも、利用価値もないし
次回採りに来た人の為、残すものだ

山の掟はこうであるように思う
見合った量を頂いたら
残りは葡萄の為、山の親爺の為、残す

なにも根こそぎ持っていかなくても...
つくづく、人間と云うものは欲の塊である




ボクの本来の目的は、熊笹と少しの山野草、であった
料理の掻い敷(かいしき)に使うため
それと、季節感を感じる木の実や花をテーブルに添えるためである

車を走らせていると
中途半端な森では気分が乗らず
ま、気分が乗らなければ摘めないのか?
と云われれば、そんな訳でもないのだが
綺麗な森を知っていると、自然にそこへ足が向いてしまう

ナニが中途半端かと云うと
森に杉が多すぎるのがイケナイ
これから紅葉の時期に
そこだけ切り取ったようにミドリの帯があるのがどうしてもイケナイ

だから知らずと自然林へ向かってしまうのだ...


山葡萄もそこそこ採れた
さて、なんにしよう?