出汁
和食において
出汁
は、色々な素材がある
鰹節だけでも、最高級とされる
本枯れ節から、安価なのまで様々
ざっと挙げると
鰹節
鯖節
鰯節
煮干し
あご
昆布
焼干し鮎
焼干し鯊
干し鱈
...etc...
魚介で作る出汁は沢山ある
どんな料理に、どんな出汁が合うか
それを見極めて使用してゆくのだが
悲しい事に昨今
出汁をとらない飲食店が増えている
と、乾物屋の親爺が嘆いていた
まぁ、売上が落ちてきていることを
こんな言葉に置き換えているだけかもしれぬが
手軽で低価格で済む、ダシのモト という
グルタミンソーダをはじめとする うまみ調味料なる食品添加物が
かなりハバをきかしている
ボクの舌は、昔から天然の旨味成分しか受け付けぬようになってしまっていて
それは、子供の頃からの食生活と
今まで仕込まれた、化学調味料を使わぬ
「親方」と呼んだ人達によって形成されたものである
化学調味料が入っていると
数十分は舌が痺れて使い物にならなくなってしまう
大手の調味料屋は、味噌や醤油に
必ずと言っていいほど使用しているのだが
消費者が求める「味」はそこに片寄ってしまうらしい
人間の味覚とは、舌の「味蕾(みらい)」で感じるのだが
12歳をピークに発達する
つまり、お母さんの作った
出汁をとった味噌汁等を、ちゃんと食べているか否かで
・・・
ま、そういうことらしい
出汁と一口で言っても
例えば、昆布と鰹節でとった出汁でも
湯温・量・時間・タイミング
これらの扱い方で、美味しくも、不味くもなる
材料の質でも変わるが、大切なのはコレである
基本的な鰹出汁のとり方
前夜、鍋に張った水に、昆布を入れておく
火にかけ、60℃で昆布を取り除く
(これが昆布出汁)
80℃まで水温を上げ
鰹節を入れる
刺し水をし、鰹節が沈み始めたら漉す
面倒だと思う方もいるかもしれぬが
鰹節と昆布を作るだけでも
気の遠くなるような時間と労力を使っているのだから
それを思えば、こんな事はなんてことない筈だ
さた、前置きが長くなりすぎたが
今日は、「焼干しの鯊(はぜ)」と
同じく、漁師が薦める「焼干しネウっ子(小アイナメ)」の
出汁をとってみる事にする
仙台雑煮と云えば
焼干しハゼの出汁だ
あっさりしている中に上品な黄金色のコクと旨味を持ち合わせている
仙台浜雑煮と云えば
焼干しネウっ子の出汁らしい
コクと旨み重視である
もうじきやってくるお正月に
両方試してみよう