花鯛の菜の花鮨



ちょっと変わった鮨を作り

少し早目の春を 品書きに載せてみる


花鯛...学名 チダイ と呼ばれる鯛を使う。

真鯛を ちょっと小振りにしたような鯛で
鰓蓋のところが赤いのが特徴で
大きくなると デコッパチになり、
釣り味も良い(ココは外せんのか!)

身質は柔らかいのだが、とても美味しい魚で
大きいのはお造りに、
小振りなのは焼いたり、蒸したりすると旨い

押し鮨にしようかと思ったのだが
待ち遠しい春に想いを寄せて
ちょっと趣向を変えてみよう。


菜の花は軽く茹でた後、
鰹出汁に塩と薄口醤油で味付けし、
ほんの少し味醂を利かせた つけ出汁に漬け込む

花鯛は三枚におろして薄塩を振り、馴染んだら
昆布を入れた米酢で15分ほど〆る

小骨を抜き取り、飾り庖丁を入れ 皮面をバーナーで炙る

上品な菜の花のほんのりした苦味と、鯛の味を引き立てる為に

黄身酢を添える
黄身酢には、米酢ではなく、橙の搾り汁を使うと
全体の味が締まり
しかも繊細で軽いタッチの調和になる

酢で〆ぬ鯛を使うならば
辛めの塩で食すか
梅干しの酒煎りで食すのが旨いであろう


酢を使って〆た魚には
酢を使った掛け物が合うが
酢の種類を見誤ると、掌を返したように喧嘩することがあるので
頭の中で慎重に味をイメージして取り掛かる必要がある

料理方法と組み合わせはまだまだある
ボクはその中のほんの一部を経験しているにすぎぬ

一生修行とは、最近身に応える意味合いである

やや、
遊んでばかりいられぬな...