と名のつく言葉が
あちこちに芽吹き始める時期

新じゃがと時を同じくして
新玉葱も出回り始める

みずみずしく、甘い玉葱は
どのような調理でも美味しく味わえるのである

素材の旨味を逃さぬ様
圧力鍋で皮付きのまま、
丸ごと蒸しあげる

肉味噌を今回は
鶏味噌ではなく、合挽きにした
豚の背脂も少し加える

複数の動物脂肪が混ざる事によって
玉葱と味噌の相性が、さらに良くなる

肉味噌を掛け、焼くと
香ばしい味噌の香りが立ち込める



ま、
それだけの料理なのだが
玉葱の甘さが、甘味噌とあい交じり
鶏と豚の脂が薄っすらとそれらを閉じ込め
且つ、相乗している


新人の事を「新米」と云うが
正しくは『新前』と
昔、ボクの親方に教えられた

板前見習いの新人が入って来た時

新しい前掛けを配給されることから
新人の板前を
新前と呼ぶようになったそうだ




そう云えば

板前さん

と、久しく呼ばれていない

ろうにゃくにゃんにょ
皆、ボクの事を『親方!』と呼ぶ

娘の友達も、その家族も
友人も、おねいさんも
飲み屋のねーちゃんも
おっちゃんもだ...

じねん
が、名字で
親方
が、名前だ