天然あさり、もしくは干潟との格闘


大潮の干潮
時合いを待って干潟へと向かう

砂泥地帯が広がる

潮干狩り
そんな言葉は似合わぬ、いでたちは
胴長(胸まである長靴)
二の腕まである、長いゴム手袋
スーパーの買い物カゴ

である...

潮の引いて行った水際で
おもむろに座り込み
膝をついて四つん這いになり
平泳ぎの様に、砂泥を両手で押しのけ
掌に当たるアサリを感じ取り
買物カゴへ放り込む

膝つき腕立て伏せを続けてやるようなもんである


潮が満ちて来るまでの2時間が勝負だ

別に誰と勝負するわけでもないし
アサリと勝負するわけでもない
2時間というタイムリミットでもない

ボクのコシと膝靭帯
この痛みとの勝負である

砂泥を這いまわって
顔にすっぱねを跳ね上げながら(すっぱね : 泥跳ね)
手探りでアサリを掘り当てる


漁業組合に1,500円払って、鑑札を買えば
3月末の解禁から7月位まで
獲り放題である

お金は取るが
ここはアサリの種を蒔かない(種 : 稚貝)
故に全て天然物である
が、しかし、小さい


ま、
国産ではない種を蒔いて、
ココ掘れ
さぁ、掘れ
と言われるより
数100倍ヨロシイ


アサリの型は
泥の多い場所は大きいが
掘り易い砂地は小さいのが多いのである
なぜだろう
なぜかしら


いぱい探り当てた
カッツァキ(熊手)よっか、効率が良いし
腰にも優しい

アサリは砂の中で
水管を上に向けて立っているので
掌に当たる、立っているアサリを掴む


粒は小さいが
とても美味しいのが、天然の証である
殻も心なしか厚みがある

さて、
今日はパスタにしよう
どれほど旨いのか
刺激のある調味料を省いて作ってみる

アサリと、ニンニク
白ワインにイタリアンパセリ
茹で汁に入れる塩

それだけで作ってみる
あえてコショウは使わずに...


ギリギリで火を通してあるが
季節がまだ早いのか
小さい身がちょっと縮む

しかし、ウマイ
自分が獲ってきたアサリなら
なおさらに美味い

あぁ、ウマイ



明日はワカメと味噌汁にしようか
それとも酒蒸しか
いや、
バター焼きもすてがたいし
大きいのだけ選んで焼いて
醤油をチョイと垂らすのもイイ

う〜む
う〜む

いぱいあるから全部か!?

うむ、そうしよう、そうしよう