雨の船上
松島の数ある島の出身である先輩と久々の海釣り。
お互い、板前界の中で一番の理解者。
彼の料理の腕はピカイチで、私は彼よりも優れた料理人を見た事がない。
一本気な正義感・職人気質。
それ故経営者からは好まれないタイプ。
私の性格も酷似している。
経営者・調理師会・調理師紹介所の 使い辛い職人ブラックリストNo.1、No.2を二人で制した。
私は彼を凌ぐ事はできなかったが…
朝から曇り空で、今にも降りだしそうな気配。
先輩は気を使って帰ろうか?と問う
私は、雨の中の釣りが大好きだと言うと
彼は、実は俺も好きだと答えた。
二人の違いは雨具を用意しているか、そうでないかであった。
そして、どしゃ降りの中二人は、いつもの様に笑いながら
ちっちゃなカレイとアイナメを何匹も釣り、雨の船上を大いに楽しんだ。
いつか、彼と一緒に仕事がしたい…そう思っている。