阻まれる道

竜太郎と未だ見ぬ、岩魚のパラダイスであろう場所に向かう。
普段発芽しようとしない己の中のトキメキと
怠慢性になっている釣りへの、過保護な自分にかなりの根性を注入し、
歩きに要する時間と難所を乗り切る覚悟を決め
いざ行かん!

車止めまで一気にジムニーは走る。
数ヶ月前に崩れた道を慎重にパス

これからまだまだ先にある林道を、タイヤは小石を蹴散らして駆動する。
人・天候・時間・時期・全てにゴーサインが出て初めて実現するこの釣行は、ギリチョンの期限でソレを向かえた。

不安はいくつかあった。
自然界の持つ脅威と、私の体調...
前日の釣行の際、大事なトコロが、いや、体の一部分が...
普段の釣りの正装は、ニッカポッカであろうが、ウエットタイツであろうが、ノーパンが好ましかった。
それをどうした事か、たまたまパンツをはいてしまった。

濡れるのがあたりまえの格好だから当然パンツも濡れる。
ポリプロピレン製のものだったら大丈夫だったかもしれないが、
ユニクロの、いたってフツーのパンツであった。
濡れて、肌にベッタリとまとわりつき
歩く度に擦れる。その日はさほど気にならなかったのだが、
帰ってみたら 赤ムクレ 状態
本日の気合の入れた釣行。長い道のりを乗り切るために応急処置
伸びるタイプのバンドエイドを張る

しかしながら、歩くとやはり痛い。
自分の中で格闘が始まった
ジムニーは快調に悪路を突き進む
と、その前方に巨大な岩が現れる
落石だった。


先週の台風で地盤が緩んだせいであろう


まだまだ車止めは先の先である
竜太郎は本気になって巨岩を谷に突き落とそうとしていた。


時間的に日が落ちる前に帰ってくるのは不安だったので
やむなく断念...実はホッとしている
こんな小さな赤ムクレの痛さの為に
なんて俺は弱いのだろう...

また長い山道を戻り、気を取り直して大物を狙うポイントに移動。
しかし、ウエィダーは持ってきておらず
スパイク付きの地下足袋で、濡れない釣りをする。
そこそこ釣って終了。
竜太郎、来年またチャレンジしような!