ガセネタ Ⅱ
コンクリートと鉄筋でできている一跨ぎの橋の上から覗きこむ
と、俊敏に走る魚影
流れの中央にステイしているが、魚種の判別は付かない
ただ、泳ぎはとても俊敏だ
一旦走ると、その後どこにステイしているのか見失ってしまう
橋の中央に寝そべりじっくりと観察していると
なんだべ、釣りっこが?轢かれっど!
地元のおばちゃんが軽の窓越しに笑っていた
さがな、いんのすか?ココ...
んだなぁー、釣りっこすぎなじぃんつぁまがまいぬづこごで釣っでっど
んでも、こご四日ほどみえねぇなぁ
なんの魚つってんのすか?
いわなっこだべ
オラのおとっつぁんもイワナ釣るんだ
話の最中、軽自動車からは白煙がモウモウと...
すっかり煙幕を張られた橋の上で 竜太郎が咳き込む
先ず降ろう
釣りはそれからだ
途中、魚止めの堰堤が一つあった
ふむふむ、ここで天然溯上は終わりだな
もっと降る、降る
すると海に出た。短い河川である
海から数百メートルのところで着替え、釣り始める
所々護岸されている
所々に 帆立の殻がある。牡蠣の殻がある
むぅ、とても綺麗な水なのに、ここの住人達はさらに綺麗にしようと
牡蠣やら帆立の殻で浄化しているのか...
いや、たんにバーベQの喰いカスだ
海のすぐそばだからしかたがない
おっ、イイポイントだ
おっ、竜太郎に一発で来た
おっ、バラシタ
おぉ、くやしがってる くやしがってる
ハイ、10歩歩いて、次のポイント
おっ、でたっ
おっ、引く引くぅ
おっ、で、でかいか?
あれぇ、そんなんでもないか?
おぉ、イワナだ!体の割りにはヒキが強い
なんと、海から1km 溯らずにイワナだ
どれどれ、オイラもキャスト
おっ、でたぁ!
や、やまめだぁ!
おっ、またもや竜太郎がかけてる
おぉっ、でかいイワナだぁ〜っ!
でかいでかい、この川にしてはでかい!
尾鰭もでかい
ミツクチの鼻曲がりだぁ!