行けない
だがしかし、予約がドドッと入り仕入れの量も半端ではなくなった為
やむを得ず釣りは断念した。
無理して行っても時間に追われてろくな釣りはできない。
仕事の方も追われるだけではすまなくなる。
修行時代、付いた親方達は揃いも揃って、出来合い物などは一つも使おうとしなかった。
何から何まで最初っからの手作りだ。半端ではない。
あぁ、食い物を作り出すということは、こういうものなんだな…
と、最近になってわかってきた。
その教えと、親より濃い血を受け継いだ者の性として
食い物を作り出す技術を高めなければいけないと
重いものを背負わなければいけないのだな、と思う。
それがはたして自分に出来るか否かは別にしてだ。
今やろうとしている事は、食文化の高められた区域のスローフードなのか?
単純な事に何かを投げかけ、根本を探り、より深く突き詰めようとする性格は、何なのか。
別にしなくてもとよい事かもしれないが、それができない自分は一体何者なのか。
考えるのがアホくさくなったら、釣りへ出かけよう。
渓流へ出かけて、魚を釣ろう。
そうだった、釣りへ出かけよう。