特異体型


ウエィダー という
釣りなどに使う、腰まで あるいは胸までの長靴がある
胴長 というヤツだ


ボクが常時使っているのは
シムスというメーカーで
日本製ではないから、かなり大きいサイズまである
こんなボクの体型にも合うものを揃えているのだ


今回、アサリ掘りの為に
安モノのウエィダーを購入しようと、釣り具屋で試着してみた

『ブーツはショートタイプで』

と、言ったのを受けて
店員は先ず、LLサイズをボクに手渡す

履いてみたが、案の定、ふくらはぎがパッツンパッツンである
腿も同様
ウエストはちょぺっとだけ余裕がある(見栄^^)

等身大の鏡に自分の姿を映すと
バレヱのタイツを履いた丸太んぼうである

う〜む...

ボクは店員に聞いた

『しゃがんでみてもイイ?』

店員はうつむき、慌てて首を振った
(あ、横にね...)

安モノのウエィダーは、しゃがんだ瞬間
安モノなりの縫製が飛び散るかとおもわれる


同じメーカーの3Lがなかったので
店員は別のメーカーのを持ってきた
3Lである
店員は先ほどうつむいて
親に叱られた子供の様に首を振っていたが
(あ、横にね...)
今度は自信たっぷりであった

履く前からボクはわかっていた
このウエィダーはブーツの部分がショートではなく
ロングであるからにして
ふくらはぎがつっかえて入らないのである

先ほど試着したウエィダーを脱がせるに四苦八苦し
額に薄っすら汗をかいた店員は
さぁ、どうぞ!
と、用意する

先のウエィダーを脱ぐ時に
ズボンとパンツがずり落ち
はんけつ状態になってしまったので
またそれを繰り返すのは忍びないが

がんばっている店員をむげにもできないので
足を滑り込ませる
(あ、滑らないか...)
ムリクソ突っ込む

ブーツの入口がパンッと張り
さらに突っ込むと、
行き場をなくしたブーツの丈が
アコーディオン状態になる

その時点で店員は
唖然とし、呆れ、驚愕し、放棄したのである


異様に太い、フクラハギや太もも
ソレと比例した腹回り

規制の国産品にはもう、手を出すまい。
足を通すまい

そう、硬く誓って釣り糸だけを購入し
ボクは釣り具屋を後にした



外は物悲しげな雨が降り続いていた