根曲がり筍ノ根性
いつもの山に群生している
<根曲がり筍>を折りに行く
筍と云うと、掘るモノと思われがちだが
この筍は折るのだ
自然林で囲まれた森の中、
背丈より高い根曲がり竹を探し
その密集する藪の中にダイブなぞしてみる
竹は腰が強い...
そしてこの竹は、根が地面から横に生え、天に向かって伸びている
雪の重みに耐え、背を伸ばす
その筍も横に向かって、腐葉土の中から顔を出すのだ
そして弧を描きつつ伸びる
弧を描く前に、
根元を持って折り、採取する
アルミホイルに包み、じっくり火を通すと
蒸し焼き
になる...
ポップコーンではない。
山形は新庄の友人が営む店<花板>のパクリである。
こんな楽しそうな調理法を真似ない手は無い^^
予め庖丁目を入れておいた個所から皮を剥き
バッケ味噌(フキノトウ味噌)をつけて食す...
独特のホクッ、シャキッとした歯触りと
旬の甘味、茹で玉蜀黍の様な香ばしさ
孟宗筍にはない旨味と美味しさを持っている
根曲がり筍を採った帰りがけに
<朴の葉>を摘まんで来たので、
それに包み焼いてみる
朴の葉はしなやかで堅牢
古くから料理を包み、火に掛けられてきた
通常、枯れ落ちた物を使って調理するのであるが
今回はそれが無いので、大きくひらげた新緑を使う
朴の香りが移った蒸し焼きもまた
格別である。
雪の重みに耐え、春を只々ひたすら待ち
先端の切先を地上に出したかと思えば、
熊やカモシカに喰われ、虫に食まれ
ヒトに折られるも、
グンと背を伸ばす
土からは曲がって出てくるが
根性は曲がっておらぬ
故に、味も然り
ボクの様に、ひん曲がった性格とはまるきりだ。
こんなのを目の当たりにすると
もっと土にシッカリとした根だけでも這わせたい
そう思わせる新しい息吹。