遭難願望顛末記 カヌー海の章・其の壱


カヌー
これには様々な種類がある
カヤックとカヌーではまた違うのだが
ここはひっくるめてしまおう

川下りの競技用
同じ川下りでも100kgの荷物が積み込め、二人乗りのもあるツーリング用で
組み立て式のファルトボート
オープンデッキのカナディアン
直進性と推進力重視のシーカヤック

もう、15年以上前に
シーカヤック以外手に入れた

ボクは釣り人であるからして
カヌーを漕ぎ出すだけではイケナイ
イケナイ事は無いのだが
釣りをしたいのだ

海に漕ぎ出す場合、船内外の機動性と安定性を求めた答えは
カナディアンであった
ここで最も重要な「安全性」をカンディアンに組み込まねばならない
カヌーは横波に弱い...
(横波に限らず、波には弱い)
風にも弱い...
さらなる安定性を求めるとなると
両脇に浮力体を装着せねばならぬのだが
高価な純正のアウトリガーを買うのがバカらしい
工作好きのボクであるから
ここは自作でと、いじりがいのあるカナディアンに手を加える事となった

カッコイイアウトリガーなど要らぬのだ
男は実用性と無骨をモットーにしなければならぬ
金が無いのなら、これしかない

構想15分。
(閃いた後、DIYセンターに向かう移動時間)
製作3時間。
はたして、無骨低予算アウトリガーは完成したのであった...

カナディアンの中央部に、角材で梯子を渡し
でかい蝶番で両翼を繋ぎ
両翼の先端には軽自動車のタイヤチューブ
両翼の固定には鉄筋棒差し込み式

どうだ、カッコワルイだろう!
この無骨なカッコ悪さが男の美学なのである


しかし、計算され尽くしたバランス&安定性
(後付けの理論という説もあるが...終わり良ければ全て良し!)
は、絶妙であった。
(…であった。ちゅーことは やっぱ、たまたまちゅーことかい!)

さて、アウトリガーを装着した推進式は、桃の浦という 穏やかな湾を選択したが
男ならば荒海で、その耐久性やら安定性を試したいものだ

しかし残念ながらその日は
全国的に波が穏やかな、ウネリもない日和だったのである
誠にもって残念だがいたしかたない
(? 最初っから穏やかな湾て...)
いたしかたない...

両翼を跳ね上げた状態でフネは砂浜におろされた
シャンパンなど持ってきていないので
三ツ矢サイダーをバウ(舳先)にかける

釣り道具を積み込み
スターン(艫・とも:舟の後方部)を軽く押してやると
ミナモに浮く

この日、乗船者の友人は船酔いの準ちゃんぴよんだ
ちょっとの揺れにも弱い
しかしながら、釣りは好きで
いつも カレイ釣りの仕立て船に好んで乗るのだが
数十分でダウンする

しかし今回は気合いが違っている
船酔いなど微塵もするように見えぬ目の輝きだ

桃の浦…魚はあまり釣れない


長くなりそうなので
ツゥビィ コン...なんちゃら