日本鍛冶屋考
そのほとんどが「合わせ」で
軟鉄と鋼を合せている
庖丁は片刃で、実際ものを切る所が鋼
鉈等も片刃だが、両刃もある
斧は両刃
日本刀は両刃で、芯にした軟鉄を鋼が蔽っている
日本刀には刃紋という紋様が付いているが
それは焼きという急激な冷却で材質の鋼が硬質化した証し
庖丁等についている紋様は鋼と軟鉄の合わさり目で刃紋とは違う
鋼と軟鉄を合せる事によって
適度な砥ぎ易さ
「焼き」での膨張による鋼のもろさを硬質に
鋼の折れやすさをカバーしている
なんと日本鍛冶屋の技術は素晴らしいのだろう
これは先日手に入れた
両刃の鉈で、合わせだが
鋼が青二といって、とても硬い鋼を使っている
和庖丁で、「本焼き」という
鋼だけで作られたものもある
これは日本刀と同じく「刃紋」がある
恐ろしく硬い庖丁だ
が、薄い為
折れの要素もある
切れ味が持つけれども
砥ぎも時間がかかる
合わせの難点である反りも皆無
庖丁もナイフも、それぞれ多種多様で
つまりは自分に合ったのを手にすれば良いかと思う
ボクはコレクターではないのだけれども
小僧の頃の給料を庖丁に惜しげもなく使っていた
一時期、三十数本あった庖丁も
若い衆にくれてやって
今は半分ほど
その半分は滅多に使われず
バックの中で眠っているのだ
ムム...
やはりコレクターなのかも...?