焚火宴会人がゆく・シーカヤック編Ⅳ
メニューはその場で、その時の食材と持っている調味料で決まる。
食材はがぜウニ(キタムラサキウニ)・アワビ・岩牡蠣・ホヤ・である。
先ずは生食でチュルッとかコリッ、などとそれに合う酒を乾しながらヤル
男3人で酒を飲むのには、何故か必然的に焚火を熾す。
この行動の意味するところはまだ解明されてはいないのだが…
火の中で焼けた平たい石の上に全種類を乗せる。
するとどうだろう、風味・食感・味、全て驚くほど変わり
尚且つ非常に美味い。
焚火の周りに集まり、夏の最中暑さにもマケズ、熱さにもマケズ
美味すぎるのと酒酔いのせいでよりいっそうゲラゲラワラウ
ウニ【生】:トロッとして甘く、海水のそれがより甘さを引き立てる
口の中に留まろうとはしない性質から、何個でもイケル
ウニ【焼き】:殻の焼けた匂いと、卵巣の焼けた香りとが混じり合い、一粒一粒がほぐれてゆき、より濃厚で且つ凝縮された甘味が…今度は意識的に喉に通さず余韻を楽しむ時間を【焼きウニ】は持ち合わせている。
アワビ【生】:コリッっという食感とモチッっという食感がある。
前者は黒又は青。後者は白と呼ばれている。
一般には前者は刺身。後者は火を通すとより美味かろうとされているが
どちらも甲乙つけがたい。ひとつ言えるのは丸かじりがより旨い
この後のスペシャル料理で活躍するワタがこれまた旨いのである。
アワビ【焼き】:しっとりと柔らかく、モチッとした食感。
磯の香りが幾分強くなるが、香ばしさがそれに勝る。これも丸かじりに限る。
岩牡蠣【焼き】:この時期抱卵。貝毒を持つので生食は避けるが
直径20cmの殻にめいいっぱい詰まっている。焼いてもほとんど縮まない。
芳醇な香りとそれに見合う味。とにかく大きいのだが、大味ではまったく無い。
ホヤ【生】:嫌いな人はよく、磯臭いからというが、なんの天然はまるで上質の赤貝と同じ。独特の甘味が口の中で広がり、余韻がしばらく残る、
ホヤ【焼き】:まったく別物。蛤を焼いた時、汁がこぼれて焼けたあの香りと酷似して、味は歯応えが増してフニプニという感じ。
そんなこんなでお腹も一杯になってきた。
酒は各種類が飲み干され、赤ワインに変わり、2本目と突入。
と、いっても1本目は渋くて飲めた代物ではなかったので瓶の肩口までしか減らず、干されていた。
獲物も喰い飽きてきた頃
謎のベトナム人とイギリスぼんくらボンボンが
スペシャルメニューを出せ。ホラ作れと言いはじめた。